私がスタジオで個人練習・バンドリハーサルをするとき、気になることがあります。
それは、マナーについて。
「スタジオ内が汚い」「ドラムセットが独創的なセッティング」「アンプのつまみ位置が使いっぱなし」「ドラムセット/アンプの位置が変」「ホワイトボードが書きっぱなし」など。
リハを楽しみにドアを開けた瞬間、最初に出会うのがこのような光景だと、これから音を出す気持ちもしょんぼりしちゃいます。
自分が当たり前だと思っているこの行動、本当にそれで良いのだろうか?
当記事では「気持ちよくスタジオを利用するためのマナー」について考えてみました。
!注意!
スタジオにはさまざまな店舗があり、独自のシステムで運営されていることがあります。
ここに記載した内容は、私が使っているスタジオに共通するものであり、その内容すべてを強要したり、ほかを否定するものではありません。
自分やあとに使う人が気持ちよくスタジオを使えたらという想いをこめ、提案させていただいています。
Contents
初めて利用するスタジオはもちろんですが、実際にリハでスタジオを訪れたときに「事前に知っていれば」と思うことがあります。
これからスタジオを利用した活動を始めるなら、気になることはスタジオに事前確認することをオススメします。
初めて訪れるスタジオでは、分からないことがあります。
「自分が好きな種類のアンプはあるか」「姿見(鏡)はあるか」「譜面台は何本あるか」など。
このような場合は、まずはスタジオのホームページを閲覧。
部屋の広さ・形状・料金などが掲載されているので、あらかじめ知ることができます。
さらに、スタジオを予約するときなどに、電話で直接質問してみると安心です。
会話の感じからスタジオの雰囲気も分かり、初めての店舗でもリラックスして利用できますよね。
こまめな水分補給は、スポーツならずとも常識となってきました。
ただし、場所によっては「スタジオ内での飲食禁止」というスタジオも。
スタジオが飲食物を禁止している理由に多いのは、「汚れるから」「掃除が間に合わない」などがあるようです。
そのほか、「もしもアンプにコーラをこぼしたら・・」大変なことになるのはすぐ分かりますね。
そう、このルールは機材を守るためでもあるのです。
しかし、「原則飲食禁止」の店舗でも、実は「水だけは平気」な場合があります。
水分を摂取できるのかなど、気になっている事は予約時に直接聞いてみると安心して利用できるでしょう。
開始時間に予約者が到着していないと窓口は混乱するもの。
予約した人が直接「遅れるけど向かっています」など、一報を入れるとスムーズです。
また、無断で一定時間を超えて遅れた場合、キャンセル待ちで待機している利用者がスタジオに入ってしまうことも。
スタジオによって運営ルールが異なりますので、注意が必要です。
それでは実際にスタジオへ入ったら、最初に何をすれば良いのでしょうか。
直ぐにでも音出しをしたいところですが、トラブル防止のためにもしておいた方がよいことをご紹介します。
アンプ・ドラム・鍵盤・PAの位置を確認します。
練習の目的にもよりますが、バンドで音合わせをするなら全員が聴きやすい位置へアンプを移動する、または向きを変えましょう。
位置や向きを調整することで、リハーサルの効果がぐっと上がります。
聴こえないからとボリュームを上げなくても、向きを変えるだけでも聴こえるようになることも。
聴こえない時は、位置調整をぜひ試してみてください。
そうそう、向きを変えるときは、PAモニタースピーカーの方向にマイクが向かないようにしましょう。
立ち位置や向きに注意するだけで、ハウリングを防止できます。
機材が壊れていたら、できるだけ早くスタジオのカウンターへ知らせましょう。
滅多にあることではありませんが、壊れた機材の責任問題につながることを予防できます。
せっかく楽しいリハなのですから、心配の種は取り除いて楽しみましょう。
さぁ、アンプの電源プラグをコンセントに挿しスイッチを入れましょう。
真空管アンプの場合は、スタンバイスイッチを入れる順序に気を付けてください。
「スタンバイ(オフ)」→「2〜3分待つ→電源(オン)」→「スタンバイ(オン)」→「音が出る」
この順序を間違えると、アンプを壊してしまうことがあります。
PAにつないだ鍵盤から音が出ない場合、多くはPA卓のセッティングに依存しています。
使い方が分からない場合は、店舗の方へ相談しましょう。
ほとんどのスタジオでは、親切に教えてもらえます。
ドラムはネジが多い楽器です。
そのため、ネジがダメになっていることが多々あります。
しかし、そのような状態の悪い楽器でも乱暴に扱わず、丁寧に扱いましょう。
ネジがダメになる理由の多くは、ネジを緩めずに無理やり向きを変えたりすることです。
特にシンバルスタンドのネジは固くなってることが多いので、ケガをしないように専用工具などを持ち歩くことをオススメします。
私はEasy Wingerを使っています。
硬くなったネジを軽い力で回せるので手の入りにくい場所などにも便利でオススメ。
ドラムはスタジオ内での位置を変えにくいですが、腕が壁にあたるなど極端に狭い事情がある場合はズラしても良いでしょう。
セッティングは、「タムが1つの人」「タムが2つの人」など十人十色です。
私のオススメは、演奏しやすい位置に鳴らしたい楽器を配置すること。
まずは、あなたの好みにあわせてセッティングしましょう。
また、鳴らしたい音色や演奏のしやすさを重視したセッティングをする人もいます。
※参考 → クリスコールマンのQ&A
バンド練習の場合、メンバーの顔が見やすいこともセッティングの大事な要素。
「シンバルの位置が高すぎてベーシストの顔が見えない」「バンドリーダーの顔が見えない」ということを避けると、目合わせがしやすくなり効果的なリハーサルができるようになります。
ドラムはセッティングで演奏のしやすさが変わるので、まずは大ざっぱに整えて、演奏しながら微調整をしていくと良いでしょう。
アンプで音を出し、音量のバランス・音色を確認しましょう。
ベースは低域を強くしすぎないことが音作りのポイントです。
鍵盤はPAから音を出すことが多いので、PA卓の使い方を覚えておくと使い勝手が増します。
PA卓の使い方はスタジオのスタッフさんへ聞いてみると親切に教えてくれますので聞いてみましょう。
準備ができたら音を止めて他のメンバーの準備が整うのを待ちます。
リーダーが明確でない場合、それぞれがずっと個人練習を続けてしまいます。
「そろそろ始めよう」という役割分担を決めておくと良いでしょう。
スタジオで音を出すのは、とても楽しいですよね。
でも、楽しい時間だからこそ、長く続けるために気をつけたいことがあります。
スタジオへ出入りするためにドアを開けるときは、一度演奏を止めましょう。
廊下やロビーなどに大音量が漏れるからです。
自分たちの演奏は気にならなくても、他人の演奏は思いのほか耳障りに感じたりします。
自分のことだけでなく、バンドメンバーの行動にも注意できると親切ですね。
特に休憩中は、出入りが多くなります。
休憩中に自分の練習をすることももちろん大事ですが、すぐに演奏を止められる余裕と配慮を備えたいですね。
店舗によっては二重扉になっているスタジオもあります。
この場合は、両方の扉を開けっぱなしにしないようにすれば演奏を止めるほどではないかもしれません。
気配りができる人の演奏はすばらしいものです。
そんな人を目指したいですね。
演奏が終わった後に「さっき上手くできなかったなぁ」などと感じ、楽器を弾いたりしていませんか?
演奏をしていない時間は、基本的にはバンドメンバーと打ち合わせをする時間です。
だれかが話している横で音を出していては、会話ができません。
「こうすればもっといい演奏ができるんじゃないか?」と、バンドとしての音について相談している場です。
バンドメンバーの動向に注意し、音を出したいときは「少し確認させて」とことわってから確認しましょう。
たまにボリュームを小さくしたり、「0」にしたまま楽器を弾いてる人がいます。
弾いてる本人は、会話している様子が聞こえるので小さなボリュームならかまわないと思っているのでしょう。
しかし、会話している側にはただのノイズであり、効果的に話すことができません。
ボリュームが「0(ゼロ)」であっても音を出さないようにする方がのぞましいですね。
「手持無沙汰でなんとなく」なんてことのないようにしましょう。
ほとんどのスタジオは予約制です。
あなたが入室するときは、時間キッチリに入れましたか?
少しでも遅れたらイライラしますよね。
予約がいっぱいのスタジオで時間キッチリに順番を回して行くには、個々の利用者が時間を意識しなければ回りません。
「お金を払ってるから時間目一杯使って良い」という問題ではなく、他者に配慮できる演奏者になることが重要。
練習中に「あと30分」など残り時間を確認しておくと安心です。
片付けに必要な時間を逆算し、十分な時間を確保して演奏を終えられるよう、練習内容を調整することも必要ですね。
バンドリーダーが「次はこうしよう」と決めるケースが多いですが、その中で「それには時間が足りないよ」と言い出すのはとても勇気がいるかもしれません。
しかし、有名なミュージシャンには時間や約束を守ることのできる方が多いと聞きます。
時間を守れることはミュージシャンとしての重要な資質と言えるでしょう。
また、スタジオによっては、後ろの時間枠が空いていて延長できることも。
延長する場合でも、予約した時間が終了してからではなく「事前」もしくは「予約時間中」に窓口へ確認して続きしましょう。
そうすることで、バンドの練習時間とスタジオスタッフさんの時間を有効に使えます。
「時間を大切にする」
ぜひ心がけたい習慣ですね。
「立つ鳥跡を濁さず」と言います。
使ったものはキチンと片付けておくと、後に使う人が気持ちよく過ごせます。
私が好きなミュージシャンも「使った場所はマネージャー任せにはせず、自分でゴミ拾いする」と話していました。
私も、大好きな音を出させてくれる場所に感謝し、整えて帰るようにしています。
PA卓のフィーダーは、すべて「0」にしておきましょう。
ゲインやイコライザーも「0」にしておくとベスト。
アンプの場所を変えた場合は元に戻しておきましょう。
またアンプのつまみ位置はすべて「0」に戻すことが、多くのスタジオで推奨されているようです。
この、つまみ位置が「0」にそろっていると新鮮な感じがするのは、私がアナログ世代だからでしょうか!?
ドラムのセッティングも、元にもどしましょう。
タムが2つセットされたスタジオでは、2つに戻しておきましょう。
シンバルや椅子の高さまでを厳密に戻す必要はありません。
できるだけ標準的な位置に戻しておけば十分です。
また、ハイハットのクラッチは、緩めて「落としておく」配慮が欲しいところ。
スネアのスイッチもオフにしておきましょう。
キックペダルを自分のものに交換していた場合は、元のペダルをセットしておいてください。
ペダルのセット方法は、初心者には意外と分からないもの。
次に使う人のことを考えて、できるだけ標準的なセッティングにしておきましょう。
スタジオ内にごみ箱があっても、なるべく持ち帰ることをオススメします。
ごみ箱を使う場合は、ロビーのごみ箱を使いましょう。
他人に優しくできることは演奏者として重要です。
各スタジオのごみ箱を片付けるよりもロビーのごみ箱をまとめるだけにすることで、店舗担当者が入れ替え時間を節約できます。
つまりは、次に自分たちがスタジオを使うときにも同じだけ時間を有効に使えることにつながります。
もちろんスタジオ内のごみ箱も使ってはいけないと言っている訳ではありません。
ただ、そのような配慮ができるようになることで、よりよい演奏者になれる素地ができ上がると感じます。
このすべては、決して義務ではありません。
使ったものを元に戻さなくてもいいんです。
でも、たった「元に戻すだけ」で流れが変わるかもしれない。そう感じます。
もともと散らかっていたならば、片付けておくだけで十分。その配慮ができるだけで気持ちもスッキリすることができます。
また、友人であるバンド仲間に少しだけ配慮することで、効率よく練習時間を使えるかもしれないということを伝えたい。
そう感じ、マナーというカテゴリーで記事にしました。
次回、あなたがスタジオに入ったときに、少しだけ気をつけてみませんか?
▼ドラマーにオススメ▼