リズム楽器を愛するブログ

音楽の感受性が豊かになるコミック

音楽は感受性の塊と言っても過言ではないほど、その喜怒哀楽による感受性が大切になってきます。私も常より映画や小説などから様々な感情を受け取っており、表現する音楽にも大きな影響があったと感じています。

Contents

もっと音楽が楽しくなるコミック

小説はイメージすることで発想力もつきますが、手軽なコミックは短かい時間でサッと読めることもあり侮れません。そこで私が感銘を受けた、音楽に関係するおすすめコミックをご紹介しましょう

 

気分はグルービー

本作は、佐藤宏之氏による1981年から1984年にかけて少年チャンピオンで連載された漫画です。かなり古い漫画であることから知らない人も多いのではないでしょうか。逆に50代以上のバンド関係者は他に情報もなかったことから、その世代での知名度は高いように感じます。

高校生ドラマーである主人公ケンジが、学校の風紀委員長をしていたヒサコに誘われ加入したバンド、ピテカントロプス・エレクスの5人組が巻き起こす騒動やバンド内でのあるあるを描いた青春漫画です。

ピテカントロプス・エレクスは過去にバンドコンテストで全国優勝した経験もある名門バンドという設定でストーリーは展開されていくが、バンドメンバーが全員高校生であることから、音楽性だけでなく高校生ならではの心の葛藤を描いていることが大きな特徴。

特に完結前のストーリー展開は、大学に進学するか、ミュージシャンとして生きていくかの葛藤を、家族・恋人・バンドといった観点から描かれており、純粋にバンド漫画として読んでいたファンからは批判もあったようです。

しかし、現代の音楽を目指す若者が悩む問題よりも本質的な部分が描かれていたように私は感じています。

結局のところ、私が音楽から離れられていないのは本作からの影響がとても大きいのです。

佐藤氏の作品は完結しているものが多くなく、本作は代表作でもあり、その心の葛藤を上手く表現した名作中の名作と感じています。

中には時代背景もあり、バンドメンバー全員が高校生なのに、喫煙、飲酒は普通という設定にも驚きますが、現代の漫画よりも色恋沙汰については奥手な一面があるのはご愛嬌。

 

BLUE GIANT

本作は、石塚真一氏によるマンガ大賞2016で第3位を受賞、第62回小学館漫画賞(一般向け部門)、第20回文化庁メディア藝術祭マンガ部門大賞を受賞した名作であり、2013年から現在進行形で連載されている漫画です。

ある日ひょんなことからジャズに触れた男子高校生がジャズのサックスプレーヤーとして成長していくストーリー。時に感動的に、時に残酷的に、音楽が綺麗事だけではないことも語っています。

仙台と東京でのストーリーを描いた「BLUE GIANT」。高校卒業後に単身ヨーロッパに渡ってから活躍を描いた「BLUE GIANT SUPREME」。そして、現在連載中のジャズの本場アメリカを舞台にした「BLUE GIANT EXPLORER」のシリーズが展開されています。連載中なこともあり、これからもシリーズは増えていくかもしれませんね。

この漫画の特徴は、楽器演奏が上達することだけにとらわれず、仲間やスポンサー・イベント主催者とのやりとりなどがふんだんに含まれていることも特徴です。音楽で食べていくためには楽器演奏が上手いだけでは成り立たないことが示唆されていることも重要なポイントです。

作品では、主人公の宮本大(みやもとだい)が繰り広げるストレートに熱い思いの込もったストーリー展開がまるでライブを見ているかのような緊張感を与えてくれます。

また実験的にセリフのまったく無い連載回があったり、漫画で音楽の違いを表現するというチャレンジがなされており、それらも熱いストーリーに効果を発揮しています。

本作に関連するコンピレーションCDも複数発売されており、ブルーノート東京でも本作に関連したジャズイベントが複数日に渡って開催されていることからも人気の高さがうかがえます。

ぜひ熱いジャズを聴いてみてください。初めてのジャズに何を聴いていいかわからないとき、本作のコンピレーションCDはとてもおすすめです。

私はこの漫画の主人公の真摯にものごとに直面するストーリーと成長ぶりが大好きです。その真摯さゆえに悲しい決断をしなければならないこともあります。しかし、それらを乗り越えて前に進む姿から、物事へ真摯に取り組むという姿勢を学ぶことができます。

 

ピアノの森

本作は、一色まこと氏による第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した、クラシックピアノを題材とした漫画です。

ピアノに触れ、ピアニストを決意する幼少期。居住環境による影響をはねのけて成長する学生時代。ショパンコンクールにコンテスタントとしてチャレンジする作品後期などいくつかの時期から構成されています。

また、当初はヤングマガジンアッパーにて連載開始されましたが、休載や雑誌の廃刊などからモーニングへ移籍し連載を再開しました。モーニングから単行本が発売されたときには、これまでの単行本が講談社から再発売されるとともに、従来の単行本を持っている人向けに単行本カバーが提供されたこともありました。

連載は1998年から始まり、完結は2015年と17年で26巻に渡って多くの人に愛される作品となりました。

本作はTVアニメや映画化も実現し、主人公である一之瀬海(いちのせかい)の特徴でもあるピアノの音色を再現するために有名ピアニストが召喚されるなど、話題も豊富でした。私も松下奈緒さんが出演する「ピアノの森」コンサートへ行ったことがあります。(たしかアニメ化が決まるかどうかの頃だったような?)

一之瀬海の明るい性格とチャレンジ精神により、周囲にいる人々をも明るくさせる。そんなストーリーに何度読んでも泣かされてしまいます。読み終えた後に、ストーリーも泣くこともわかっていて何度も読んでしまう、そんな不思議な漫画です。

私はこの漫画の主人公が数々の難問にチャレンジする姿に感銘しました。周囲からノイズを受けても素直に成長していく姿。明るく振る舞い、周囲に幸せをもたらす姿。ぜひ読んでいただきたい作品です。

 

その他

他にも音楽に関連する有名な漫画には、BECK、のだめカンタービレなど様々なタイトルがあります。いずれも名作と言って過言はないので、機会があれば探してみたり読み返してみるといいでしょう。

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