好きだからこそ、熱の入れ方だって変わるもの。
常に接しているとワンパターン化することも多いし、気持ちの慣れも出て新鮮味がなくなったり感覚の鈍ることも。
新しい刺激(インプット)を新鮮に感じるためにも「無理に続けない」という選択肢も考えてほしいところです。
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気分が乗らないのに無理やり聴いた音楽から何が伝わってくるでしょうか。
音楽を表現する芸術だと考えるなら、感情表現の源になるのも音楽。
音楽を聴いて嫌な気持ちになるのは悲しいですよね。
無音も立派な音のひとつ。
オーディオメーカーでは無音室という、音の吸収板で囲まれた音が反射しない試聴室を作っていることが多いです。
これは音響特性を測るために使われたり、試聴に使われたりします。
そんな目的の無音室を個人で持つのはちょっと大変。
しかし、あえて雑音を消して雑音を遮断することで得たい音のイメージが具体的になることも多々あります。
そういうときは、遮音性の高い耳栓がおすすめ。
ライブやリハーサルとは違う遮音用の耳栓を使ってみましょう。
私も電車移動や就寝時にこれを使っています。
また読書時などにもおすすめです。
クラシックには演奏しない曲というものがあります。
最初から最後までずっと休符が続くのです。
『4分33秒』(よんぷんさんじゅうさんびょう)という曲で、アメリカの音楽家ジョン・ケージによる作品です。
興味のある方はYouTubeなどを探してみてください。
どうしてそういう無演奏の曲が生まれたのかは定かではありませんが、観客のイマジネーションをより膨らませる方法として考えられた手法ではないでしょうか。
その曲の持つ感情を抑えず、高めていく手法は、延々と続くディスコビートなどと相反するようにも感じますが、根底には同じものがあるのでは。
気分のいいときは散歩していても気分良く過ごせるし、何をしていても気分良く過ごせるものです。
気が乗らない日は何もしない。
気分が乗ってる日は好きなことをしてみる。
そういう方法も効果的な練習方法の一種です。
音楽は1曲で終わるのではなく、ステージの最初から最後までの物語です。
数分ではなく、1時間や2時間単位で音楽をイメージすることも体感しやすくなってきます。
そのためには、今日は気分が乗らない。
そんな時間があってもいいのです。
その代わり、気分が乗っているときは心底楽しみながら演奏しましょう。
マイナスをプラスに変えるのではなく、プラスを倍増させるのです。
そのような中で喜怒哀楽という音楽に重要な感性が養われていきます。
1週間とか2週間とか、まとまった期間で考えてみると自分の喜怒哀楽をより体感することができるでしょう。
もちろん、楽器にはたくさん触れた方が良いです。
しかし嫌々触れるなら触らない方がよっぽどマシ。
練習は毎日した方がいいことは確かでしょう。
しかし、練習にも方法というものもあります。
同じ練習を飽きるまでやって、飽きていたらその練習の意味はあるのでしょうか?
練習方法はひとつではありません。
この楽器はどんな音色がするんだろう?
そんなことを考えながらカタログを眺めてみたり、ネットを検索してみたりすることも自由です。
そんなイマジネーションを膨らませることも重要な練習方法のひとつではないでしょうか。
気分がのっていないのに無理に練習することは上達につながるかというと微妙なものがあります。
ときにある過酷な条件下での演奏。そのような場面に対応しなければならないような我慢の練習にはなるかもしれません。
しかし考えてみてください。
我慢しながら演奏した曲を楽しく感じるでしょうか?
そうした環境下での練習では上達しないのです。
現代でスパルタが懸念されるのはそういう理由もあります。
ある有名ドラマーも言ってます。
楽しいことだけに触れるようにしている、と。
練習といってもいろんな練習があります。
スティックを振るだけが練習ではありません。
そんなとき、譜面を読む練習や、フォームを修正するなどの演奏以外の練習をすることの重要な場面が必ずやってきます。
じっと自分の手のひらを見つめてみる。
グリップを修正するためにはそういう考える時間も重要。
そのような方法だって十分に演奏のための練習になるのです。
好きなことを研究する。
そういうことも練習のひとつです。
何かで辛い時間を過ごしていたとしても、過去のレジェンドドラマーのインタビューを読んでみることや、自分の好きなアーティストにまつわる記事を読んでみる。
それも大切な練習であり、上達の秘訣とも言えるでしょう。
実際にドラムに触れることなくてもできることはたくさんあります。
自分だけの練習方法を考えてみてください。
過去の偉人たちはみんなそうやって上達してきたと言っても過言ではないでしょう。
手法はひとつではないということ。
こういうタイミングで考えてみてはいかがでしょうか。